会社を設立する場合、まずは何をしたらいい?
- ビジネスの内容(事業目的)と場所(本店所在地)を決める。
- ビジネスに許認可が必要かどうかを調べる。
- 事業計画を策定する。
- 設立する会社の種類(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社)を決める。
以下は株式会社の設立を前提とします。
株式会社を設立する場合に決めておくべき事項とは?
- 定款に記載される「会社の基本的事項」を決めましょう
1. 会社の商号
2. 発起人
3. 本店所在地
4. 会社の目的
5. 資本金の額
6. 会社を設立する際に発行する株式の1株当たりの金額
7. 発行可能株式数
8. 機関設計、役員の任期
9. 会社設立日
10. 事業年度
11. 公告の方法
→定款の記載例は日本公証人連合会のHPにあります
会社の名前(商号)は自由に決められる?
- 基本的には商号は自由に決めることができますが、いくつかルールが定められています。
会社の商号のルールについては、こちらをご参照ください。
会社の場所はどこにする(登記可能な場所は)?
- 自宅、賃貸オフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィスといった選択肢があります。
- 設立登記の「本店所在地」は郵便物が正しく届くレベル(番地、マンション名・号数など)まで記載する必要があります。
- 「本店所在地」の登記は引っ越し等の理由で変更登記が可能ですが、1回の変更登記で30,000円の登録免許税が掛かります。
なお、一度登記した事項の履歴は後から消すことができない(登記簿謄本上、「抹消事項」として下線が付されるだけで、過去に登記したすべての情報が見れてしまう)ため、社会的信用が疑われるような物件での登記は避けましょう。 - 創業融資、助成金、補助金の内容や対象となる会社は、その地域を所管する金融機関・自治体等によって異なる可能性がある点についても注意しましょう。
登記可能な場所については、こちらをご参照ください。
資本金はいくらにすれば良い?
- 会社法上、最低1円の出資があれば設立可能です。
- 設立後の創業融資や取引先からの信用等を考慮して、300万円程度は確保しておいた方が良いと思われます。
- 資本金が決まったとして、次に考える必要があるのが「発行する株式数」と「1株当たりの金額」です。
(資本金 = 発行する株式数 × 1株当たりの金額)
理論的にこの二つの組み合わせは無数に存在する訳ですが、一番わかりやすいのは「1株当たり10,000円」にすることです。例えば資本金が300万円であれば、発行する株式数は300株となります。 - 「1株当たりの金額」を大きくしすぎると、将来増資をしたり、株式の一部を売却したりする際に融通が効かなくなります。また、「1株当たりの金額」を小さくしすぎると細かすぎて計算が面倒になります。「1株当たり10,000円」が最も分かりやすく、取り回しの良い金額でおすすめです。
どのような機関設計とすべきか?
- 最も単純な機関設計は取締役一人のみです。発起人が設立後の取締役になることもできるため、一人でも株式会社の設立が可能です(ただし株式譲渡制限会社に限ります)。
株式会社の機関設計の詳細については、こちらをご参照ください。
事業年度はどのように決めたらいいか?
- 事業年度は、発起人が自由に決めることができます。
- 最も一般的な事業年度の定め方は「毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする」のようです。
- 事業年度は決算期が事業の繁忙な時期になるのを避ける方が良いと考えます。
なお、資本金が1,000万円未満の場合、消費税の免税期間を最長にするため、1期目をできる限り長く設定することも一法です。
設立登記にお金はいくら掛る?
- 法務局に払う登録免許税(150,000円)
- 公証人役場に払う定款認証手数料(50,000円)
- 定款の謄本交付手数料(2,000円)
- 定款印紙代(40,000円)
- 電子定款認証の場合、定款印紙代(40,000円)は発生しませんが、司法書士事務所や弁護士事務所に電子定款認証手続を依頼するケースがほとんどです。その場合は士業事務所に支払う手数料が発生します。
以上から、合計で最低242,000円(自分で会社を設立する場合、電子定款認証の場合は202,000円+士業への手数料)掛ることになります。
会社設立までに最低限必要となる書類は何ですか?
(公証人役場での定款認証)
- 定款
- 発起人の本人確認書類(全員分)
- 申告書(実質的支配者となるべき者の申告書)
- 発起人の実印(全員分)
(法務局での法人登記)
- 公証人役場で認証を受けた定款
- 株式会社設立登記申請書
- 代表取締役・取締役の就任承諾書及び印鑑証明書等
- 監査役の就任承諾書及び本人確認書類
- 資本金の払込証明書及び通帳のコピー
- 印鑑届出書
- 登記申請書
- 登録免許税の収入印紙または領収証書を添付したA4台紙
- 登記すべき事項を記載した書面またはCD-R等メディア
事前に何か用意しておくものはありますか?
- 発起人(出資者)の印鑑証明書
- 代表取締役(になる人)の印鑑証明書
- 設立する会社の代表社員の印鑑証明書
- なお、法人用印鑑を作るタイミングは商号調査(近所に同じ会社がないかどうか)が終了してからにしましょう。
設立登記の申請はどこですれば良いですか?
- 株式会社の設立登記の申請は、会社の本店の所在地を管轄する法務局にする必要があります。
- ちなみに、会社の設立日は登記申請書類を法務局に提出した日となります。
- なお、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が取得できるのは、法務局に登記申請書類を提出した日(設立日)から概ね1週間から2週間程度となります(法務局によって若干バラツキあり)。
会社設立後に最低限すべきことは何でしょうか?
(各種届出)
- 税務署への届出
国税(法人税・源泉所得税・消費税)関係 - 都道府県税事務所・地方事務所への届出
地方税(都道府県民税・事業税)関係 - 市町村役場への届出
地方税(市町村民税)関係 - 年金事務所への届出(従業員がいなくても加入義務あり)
厚生年金・社会保険関係 - 労働基準監督署
労災保険関係(従業員を雇い入れた場合) - ハローワーク
雇用保険関係(従業員を雇い入れた場合)
会社設立登記後に提出する届出書類の詳細については、こちらをご参照ください。
(口座開設)
- 金融機関で法人口座を新規に申し込む場合は、最低限、登記簿謄本の提出は求められますので、設立登記が完了するまでは法人口座の開設はできないことになります(それまでは経営者が立替えるケースがほとんどです)。
(事業計画のブラッシュアップと資金計画の策定)
(事業に係る許認可の取得)
(役員報酬の決定)
役員報酬の決定方法については、こちらをご参照ください。
会社設立後に検討すべきことは何でしょうか?
- 従業員の雇い入れ
- 税理士との顧問契約
- 会計帳簿の記帳(自社で記帳するか、記帳代行を利用するか) → 自社での記帳をおすすめします。
- 創業融資、助成金、補助金を受けるかどうか
会社設立の相談は誰にするべきか?
- 司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士、弁護士などの士業が候補になると考えます。
会社設立の相談は誰にすべきかについては、こちらをご参照ください。