財務調査とは?
財務調査とは、会社の決算書の適切性を調査することをいいます。財務調査は財務デューデリジェンスと言われることもあります。
財務調査の利用局面
- 上場準備会社
上場を予定する会社として相応しい決算書となっているか(特に税務決算を意識した決算内容となっていないか)について調査します。なお、ショートレビューの実施項目の一部として、財務調査が含まれることもあります。 - M&Aを予定している会社
M&Aの相手企業の決算書の純資産が実質的な純資産や正常な収益力を反映したものとなっているかについて調査します。 - 目的・内容・対象範囲を限定した財務調査
不正が疑われている財務諸表項目の調査や売掛金や在庫の実在性の調査など、目的・内容・対象範囲等を限定した財務調査もあります。
調査のポイント
- 会社が採用する会計処理方法の妥当性の検討
- 収益・費用の期間帰属の妥当性の検討
- 資産の回収可能性の検討
- 資産の含み損益の有無の検討
- 簿外資産・簿外負債の有無の検討
- 資産・負債の権利関係の確認
- 過去からの業績推移における異常項目の有無の検討
主な準備資料
- 定款、組織図、登記簿謄本
- 会社案内、製品案内
- 株主名簿、役員一覧、株主総会・取締役会議事録
- 役員等との取引一覧表
- 過年度の決算書、勘定内訳書、税務申告書
- 業務フローチャート
- 取引先との契約書、帳票書類(請求書、領収書等)
財務調査のススメ
一般的に零細な非上場会社の決算書は税務を意識した会計処理となっており、決算書が適正な収益力や純資産を表現していないことが多いものと思われます。
上記のとおり、財務調査は上場準備会社やM&Aを予定している会社が、会社の決算書の適切性を調査するために実施するのが一般的ですが、これらの予定がない会社でも、現時点における適正な収益力や純資産を把握するため、また、将来におけるM&Aの可能性を踏まえた適正な企業価値の把握のため、定期的に財務調査を受けてみることをおススメします。